ブルドックソース

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確か最近の日経(今日だっけ?)にも少し話題として書かれていた、事前警告型買収防衛策導入時に、敵対的買収者への金銭交付を明記する企業が増えている件に関して、某証券会社のNo.1 ストラテジストが最新のレポートで述べていた見解が興味深かった。ちょっと引用すると、

・経営者の判断で自由に防衛策を発動すればよい。

・防衛策発動のような重要な案件に関して、信頼ができないような経営者の会社の株式を持つ必要はない。あるいは、取締役選任に反対すればよい。

一見、金融の世界の人としては珍しく賛成っぽいニュアンスにも思える考えかと思ったら、やはりきちんと皮肉っている。(というか事実を述べているだけだが…)

・日本のポイズンピルは猛毒を持つ。しかも、被害者は会社と株主である。

・米国のポイズンピルは買収者のみに損害を与える。

・しかし、ブルドックソース型防衛策は買収者に対して金銭補償を行うため、買収者には損害が生じない。損害が生じるのは対象会社、そして最終的にはその株主である。

ブルドックソースの場合、買収防衛に伴って新株予約権買取で21億円、法務などの費用が7億円、合計28億円の損害が発生した。ちなみに、2006年度のブルドックソースの営業利益は7億円であった。

確かにこういった単純な試算から考えれば経済的に合理的であるとは言えないけれども、一方でこうした単純な理屈では説明できない影響だって存在する。そういう相容れない双方の意見への対処法として、先に述べた「経営者の判断で自由に防衛策を発動すればよい」的な考え方は、非常に理にかなっているなあと思った。

なんだろう、いまさらながらこの話題がとっても気になったのは、買収策がうんぬんということではなく、ビジネスやプライベートを問わず、さまざまな見解や立場が存在する中、納得のいく・説得力ある・合理的な行動指針を示すヒントにつながるものを感じたからと思う。このレポートの主張を例にあげること自体、あまり適切ではないのかもしれないが、少なくとも、またひとつ新しい視点を身につけたんじゃないかなっと素直に思ったのは紛れもない事実だ。

なお、この話題がレポートとして出たり新聞のニュースとして出たのは、経済産業省企業価値研究会での検討を開始したことが関係しているらしい。でも経済産業省のページには特に書かれてないね。

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