1,000円のアマオケ演奏会

littlejackorchestraviolin

自分の所属するリトルジャックのこと。以前日記でもご紹介させていただきましたが、どうやら今週月曜日から販売を再開したチケットがもう販売終了しておりました。正直これだけの反響があるのは、自分を含め全団員が驚いていると思います。

うれしい、楽しい、でもプレッシャーを感じる、というのが多くの人の心境ではないかと。

みなとみらいホールという立派なホールでの演奏会、パイプオルガンを使うということ、そしてホールの運営上座席指定必須ということから有料になったこの演奏会、この「有料」ということについて、各団員それぞれ意気込みや思いに差がある気もします。

先々週の合奏でとあるトレーナーの先生の一言。

「お前ら、お客さんから1,000円とるんだぞ…」

初めに断っておきますが、トレーナーの先生は我々の技術面向上のため見てくださっているため、立場上こうした発言をしていかなければいけないということはよくわかっています。

われわれはアマチュアオケなので、限界があると思います。技術的にはあたりまえですがプロの足元にも及びません。音程ははずす、タイミングははずす、間違える、時に聴くに堪えない箇所もあることでしょう。

もちろん我々自身もいい演奏をしたい、なのでこうした技術的問題点を改善すべく、一生懸命練習します。自分たちで一生懸命というとおこがましいかもしれませんが、少なくともこれから毎週日曜日はすべて練習予定が埋まっていますし、それが午後から夜にかけての2コマという日も多い。それに加えて決して毎日とは言えないでしょうが、個人練習もしているはず。

それでもやっぱり時に「聴くに堪えない箇所」があると思うんです。

いろいろな意味で今までとは違う演奏会、はたして「有料1,000円」というものがわれわれにどう影響するのか、どうとらえればよいのでしょうか。

もちろん答えはないと思います。いやいろいろありすぎて限定できないといったほうが正確でしょう。

ただ、絶対に忘れてならないのは、有料であれ無料であれわざわざ足を運んでくださったお客様に満足していただけるよう演奏したかどうか、だと思います。そしてこの「満足感」、当然個々のお客様ごとに違うものでしょうが、その定義や感覚が違えどわれわれは絶対に意識しておかなければいけない、これは間違いないと思います。

この意識の仕方がやはり団員の個々人で差がとってもあるのだと思います。

お客様の中には1,000円を出すからにはそれなりの技術を求めるよ、とおっしゃる方もおられるかと思います。が、それもまたあくまで様々な「満足」のうちのひとつでしょう。僕の個人的な意見としては、この満足を必要以上に意識することは望ましくないと思っています。それよりもむしろ今までと同じように、ゲーム音楽をフルオーケストラでやる喜びを伝え楽しんで演奏することに重点を置くべきだと考えています。

それを感じたい、という「満足」もあると思っています。

どうも今まで無料で行ってきた影響でもあるのでしょうが、この1,000円という対価にこたえるため、ごくごく限定された「一面」を強調しすぎる傾向がある気がするのです。

アマチュアオケというのは、特に様々な価値観やバックグランドをもった人たちが参加していますので、意思統一は極めて難しいのではと常々思っています。たまたま「やりたい曲、テーマ」というものがあるため統一感を出せるとはいえども、それらのとらえ方ですら様々なのです。なので、こうしたそれぞれの多様な価値観を尊重するために、あえて態度やとらえ方を「あいまい」にしておくことは大事なのでは、と考えています。

有料化というたった一つの概念で考え方を狭めないように。

普段の我々を表現すればいいと思うのです。

この演奏会にかける特別な思いはもちろんありますが、そんなに硬くならずにいつもどおり楽しむこと、そして自分が満足できるように練習して、練習に参加していきたいと思っています。

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