まだ今年度は終わっていないけれども、もうほぼ終わったという感じです。この1年の仕事っぷりを思い返すとなにしてたんだろ、という感じです。
僕のいる証券は某アメリカの「かつては巨大だった」総合金融機関に、アホな会計不祥事をきっかけに買収され、それと同時に発生し続けたサブプライム問題の影響で大打撃を受け、買収劇はさることながら、幾度となく組織改編を繰り返し、挙句の果てには40歳以上限定で希望退職をするも、結局は親会社自体の大赤字は解消されず、ついには今思えば「高値」でかったこの会社を身売りする話まで出てきております。
時折流れてくる最高経営責任者のメッセージは、いかにも欧米的な言い回しのくせに、次第に覇気がなくなり、むなしい言い訳、苦し紛れのいいわけにさえ見てくるわけです。先週末に発表された決算、プレスリリース、そして社内向けメッセージはまさに決定的と言いますか、いずれももはや末期症状と感じざるを得ないものでした。
かつて対岸の巨人と思われた彼らがいまは衰弱した老人ないし小人に見えてきます。
サブプライムショック、特にリーマンの破たんによる外的影響も大きかったですが、こんな組織的な不安定さに翻弄され身動きができない1年でもありました。
要するに収益につながるビジネスは何もできなかった、ということです。まあ年度末ぎりぎりで単発の調査依頼が入って、それが唯一といっていいくらいの収益ですが…。こんな時期なんで先方もあまり予算がなく、少々ディスカウントして受けざるを得ないのですが、それでも受注できればなによりってところでしょうか。
全く何も布石を打っていなかったわけでもないです。既存ビジネスに関しては、新しい提携先を模索、複数の候補先とのべ10数回に及ぶミーティング・提案を継続的に行ってきたし、既存のビジネスの新規展開・応用だっていくつも提案してきました。所詮担当者レベルにもかかわらず、本来であればマネージャークラスが考えるべきことを、考えてくれないから、率先して「考えて」きたつもりです。
でも、残念ながらこうした動きが本当に実を結びませんでした。しかもすべてといっていいくらい。
確かに不幸な環境ではありましたが、なにもきっと環境だけではないのでしょう。自分自身、不備や未熟な点があるのは、いつものことです。あとはただ単に運がないってこともあるのかもしれません。
いずれにしても、このままでは何もできないなにかせねば、という思いは常に持ち続けてきたつもりです。
にもかかわらず、こうした危機感を共有できるメンバーがいないのがなんとも情けなくなってきます。
メンバーというかもっと具体的にいえば「上」です。
今いる組織ははっきり言って天下り的なシンクタンク、このような受注できないことが続く苦しみ、それが収益に直結するというプレッシャーを全く持って共有できない人たちの集まりです。前職がベンチャー企業で、会社全体でせいぜい2、3つのプロジェクトしか存在していないため一つでもコケれば明日はない、という環境で働いていたよそ者の自分と意識の差があるのはある程度仕方がないにしても、この危機意識のなさ、アクションの遅さ、いや起こすつもりもないような姿勢、あきれるばかりです。
この1年やってきたことは、確かにすべて実を結びませんでした。がしかし、将来につながるアクションであったことを信じたいです。
いやそうしないといけないと思います。今年こそ、本気で、いつも以上に将来へ向けて動いていかないといけないはずです。もう今年で34歳、自由に動ける時間はほとんどなくなってきています。遊んでばかりもいられません。