理想と現実

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先日めでたく30歳?になられた友人から借りている「海の都の物語(塩野七生著)」を読むにつれて、この街の現実主義路線のファンになりつつある。アンチヒーローの考え方というのは、なんというか今の自分の仕事に対する理想のスタイルに通じるものがあるなあ。

とにかく素直な発想であり、たとえ500?1000年前であっても予想以上に彼らの考え方や思想がわかりやすい。

ところで、今日仕事中にたまたま発見した、企業年金連合会という組織が発表している「企業買収防衛策に対する株主議決権行使基準の改定について」というものの中に、

エ 防衛策発動の要件が、「買収提案が、従業員、顧客、取引先、地域社会その他の利害関係者の利益を含む当社の企業価値の確保、向上に反するおそれがあること」「従業員、取引先、顧客その他の利害関係者の処遇を含む買い付けの条件が、当社の本源的価値に鑑み不十分または不適当と判断される場合」などのように、幅広く解釈可能である場合。

という文章があった。

連合会は結構昔から物言う株主として有名なんだけど、なんというか、、日本の会社でよくありがちな理想を言うも結局なんだからわからない的なものに対して「ナンセンスだ」みたいなことを言う姿勢が、とても潔くて気持ちいいなって感じた。

偶然なんだけど、ちょうど第4回十字軍のところを読んでいた。フランス騎士団(法王側)とヴェネツィアの双方の立場や思想が、こういう現代の観点でどっちがどっちだったのか、みたいなことをいろいろとめぐらせながら、読んでいた。

前読んだことのある知の欺瞞じゃないけれど、やっぱり何だかよくわからないあいまいで抽象的な内容というのは、実は中身がないのだ、ヴェネツィアの人も結構そういう発想を持っていたのかなあ、だったら気が合うかも…。

とかまあ、帰りの電車の中でこの本を読みながら思ったわけだ。気がつくとあっという間に最寄り駅に着いていた。

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